資産から発生する損金を最大化する
このページでは、固定資産や棚卸資産を使った節税法をご紹介しましょう。
減価償却の最大化
固定資産のうち、土地以外のものは老朽化して価値がなくなっていきます。
そこで、購入時はいったん資産として計上し、年々費用に姿を変えて出ていくという計算の仕方をします。
これが減価償却費です。
減価償却費となって消費されるたびに、資産としての評価額は減っていく形になります。
さて、この減価償却費には税法上の上限が設定されています。
もし、上限がないなら「税金を払うぐらいなら、利益額めいっぱいに減価償却費を計上して、課税をゼロにした方が得」になるからです。
しかし、そういう制約がある一方で、減価償却費を多めに計上できる選択肢も提供されています。
- 10万円未満の減価償却資産は、全額支払った年度の損金にすることもできる。
- 20万円未満の減価償却資産は、毎年1/3ずつ減価償却することもできる。
- 【平成28年3月31日までの青色申告業者特典】30万円未満の減価償却資産は、1事業年度につき総額300万円までの範囲で、全額支払った事業年度の損金にできる。
適切な利益額が確保できる範囲内で減価償却費を最大化する工夫をしましょう。
上記の事柄について、ぜひ顧問税理士と相談してください。
固定資産の有姿除去
固定資産を廃棄処分した時は、当然ながら除去損として計上できます。
しかし、有姿除去といって廃棄処分しなくても損金計上できる場合があります。
有姿除去が認められる条件
- その使用を廃止し、今後は事業に使用する可能性がないと認められる資産
- 特定の製品の生産のために専用とされていた金型などで、製品の生産を中止したことにより、将来使用される可能性がほとんどないことが状況から見て明らかな資産
こうした固定資産がある場合は、有姿除去ができないか、ぜひ税理士に相談してみてください。
期末棚卸高の最小化による当期原価の最大化
当期の原価は次の式で計算されます。
当期原価=期首棚卸高+当期仕入れ高−期末棚卸高
よって、期末棚卸高が小さいほど当期原価は大きくなり、利益が小さくなって節税できます。
まず、劣化した棚卸資産は評価損の計上が認められます。
破損、品質劣化、著しく陳腐化した商品や原料です。
ただし、相場変動・物価変動による時価の変化では評価損は認められないそうです。
ほかには、最終仕入単価の引き下げで期末棚卸高を下げる方法があります。
これは、その事業年度の最後に仕入れた単価で期末商品のすべてを評価する方法です。
棚卸資産の評価方法は、複数ありますが、特に届出をしていない場合は最終仕入れ原価法が採用されます。
そのため、多くの企業ではこの方法によっています。
以上のような角度から節税の余地がないか、ぜひ顧問税理士に相談してみてください。